脂質異常症情報館

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アテローム血栓症とLDLコレステロール

高齢化や欧米化した生活習慣などにより、脳動脈疾患(脳梗塞や一過性脳虚血性発作など)、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症など)、末梢動脈疾患(間欠性跛行、安静時疼痛、壊疽、壊死など)は増加傾向にあります。これら疾患は、動脈硬化を基盤とした血栓によって血管が詰まるという発症経過において共通点がありますが、今までは発症部位別ごとに捉えられがちでした。
この共通した血管の病態に由来する全身性の血管性疾患を総称するアテローム血栓症(ATIS、エイティス)という概念があります。アテローム血栓症の基盤は動脈硬化ですから、アテローム血栓症の予防としては、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)の改善と禁煙が必要とされます。脂質異常症(高脂血症)の中でもLDLコレステロール(悪玉コレステロール)がアテローム性硬化症(粥状硬化症)に深く関わっているといわれています。

日本では、アテローム血栓症の中で脳血管障害が多いのが特徴です。心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の発症は欧米人に比べて少ないのですが、欧米化した食事やライフスタイルによって、高齢者だけでなく若年層でも冠動脈疾患の増加が見られます。

動脈硬化(アテローム硬化)は、動脈の内壁を覆う内皮細胞の損傷がきっかけになって起こるといわれています。アテローム血栓症は、動脈硬化性のプラーク(粥腫、動脈硬化巣)が破れたりすることで血小板が活性化されて血栓ができた状態です。内皮細胞が損傷すると、通常は内壁に粘着することのない血小板が粘着凝集して血小板血栓が形成されて動脈を塞ぐ原因になります。
全身の血管にプラーク(粥腫)破綻がおこる可能性があり、血栓は動脈を閉塞しますから、冠動脈では急性冠症候群の原因、脳動脈では一過性脳虚血発作や脳梗塞の原因、末梢動脈では間歇性跛行や虚血性壊死などの原因になります。また、血小板血栓形成過程で小凝集塊(血小板の塊)が剥れて小さな血管まで流されて血管を閉塞する原因にもなり、心不全や脳血管性痴呆に至ることもあります。

※アテロームとプラークの違い:アテロームとは、血管の内膜と外膜の間にコレステロールなどが入り込んで、非常に軟らかく安定しない状態です。アテロームは非常に剥がれやすいので飛んで塞栓を引き起こす原因になります。プラークはアテロームが安定して硬くなった状態です。安定してる分は剥がれにくいのですが、血管自体が硬くなって柔軟性に欠けるために血管自体がもろくなります。

 - 脂質異常症(高脂血症)とは

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