脂質異常症情報館

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脂質異常症が引き起こす急性膵炎とは

脂質異常症(高脂血症)のひとつである、トリグリセライド(TG、中性脂肪)の値が正常値よりも高い状態の高トリグリセリド血症(高中性脂肪血症、高TG血症)の場合に、高尿酸血症(痛風)や脂肪肝を合併していることが多く見られますが、トリグリセライドが1500mg/dl 以上と極端に高い場合には、急性膵炎を起こすことがあります。血液中のトリグリセライド値が極端に高くなると、膵臓で膵液が大量に分泌されて、膵液に含まれる消化酵素が自己消化して炎症を起こし、激しい痛みを伴う急性すい炎を引き起こします。

膵炎には、急性膵炎と慢性膵炎があります。急性膵炎は高中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)が原因でも起こりますが、アルコール(飲酒)や胆石症などにより起こることの方が多いです。
急性膵炎の主な症状は、みぞおちから左上腹部の激しい痛みで、この痛みの他に、吐き気や発熱などがあります。放散痛とよばれる背部や腰部に広がる痛み(背中痛や腰痛)を生じることがあります。急性膵炎の多くは飲酒や食事をした数時間後に発症します。
慢性膵炎の場合も、急性膵炎と同様の痛み症状が起こりますが、急性膵炎ほどの激しい痛みではなく鈍痛が多く、吐き気、お腹が重苦しい感じ、膨満感、食欲不振などの症状も見られます。慢性膵炎が進行すると、痛み自体は軽くなりますが、下痢や脂肪便、体重減少、多尿、のどの渇きなどの症状が現れます。

急性膵炎と慢性膵炎ともに、膵炎の原因の中心はアルコールの過剰摂取とされていますが、長年大量にお酒を飲んでいる人が必ず膵炎になるわけでなく、アルコール(飲酒)だけでなく、食生活や環境因子、先天的素因などの他の要因も膵炎の発症に関与していると考えられています。

急性膵炎は重症度によって予後が異なり、重症度に基づいた治療法が選択されます。慢性膵炎の経過中に急性増悪(急激に悪化)して強い症状が現れた場合は急性膵炎と同様の治療が必要になります。急性増悪でなくとも軽度~中程度の症状では、原因や誘因を避けることが必要です。
慢性膵炎の治療は、基本的に膵臓に負担をかけない生活が大原則です。つまり、アルコールを控え、暴飲暴食をつつしみ、脂肪分を控えて、規則正しい食事を心がけ、ストレスを減らす、といった生活習慣の改善が基本になります。膵炎の症状かも、と思い当たる症状があるなら、病院(消化器科・内科)を受診して、きちんとした診断がなされることが大切です。

※中性脂肪の大部分はトリグリセリド(TG)なので、中性脂肪とトリグリセリドト(リグリセリドはトリグリセライドともいわれます)は同義語のように用いられることが多いです。

※膵臓(すい臓)は胃のちょうど裏側にある細長い臓器で、内分泌腺からインシュリン(血糖値を正常に保つ)やグルカゴンなどのホルモンを分泌する内分泌機能と、外分泌腺から膵液(消化液)を分泌する外分泌機能という重要な2つの機能を持っています。膵液には、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、炭水化物を分解するアミラーゼなどの消化酵素や電解質、水分が含まれています。

 - 脂質異常症と合併症

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