脂質異常症情報館

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遺伝性の脂質異常症の診断

遺伝の影響が大きい脂質異常症として家族性高コレステロール血症(FH)が挙げられます。家族性高コレステロール血症(FH)の診断基準は、「コレステロール値が高い」「黄色腫がある」「LDL受容体に異常がある」の3項目を満たすことが条件で、家族性高コレステロール血症と診断されます。
一般の開業医では「LDL受容体の異常」を確認することはできませんが、高いコレステロール値と黄色腫の2つだけでも8割以上の高いの確率で家族性高コレステロール血症と診断できるといわれています。更に、家族の中にコレステロールが高い人がいれば、家族性高コレステロール血症の可能性はいっそう高くなり、加えて家族の中に狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患(虚血性心疾患)を持っている人がいれば、ほぼ確実ともいわれています。
遺伝性の脂質異常症と確定診断するには、他の病気との鑑別診断も重要です。シトステロール血症や脳腱黄色腫などの皮膚黄色腫の症状を示す病気との鑑別診断、甲状腺機能低下症やネフローゼ症候群などの高LDL コレステロール血症を示す病気との鑑別診断が必要です。

家族性高コレステロール血症とは、LDLコレステロールを細胞の中に受け取るLDL受容体に遺伝的欠陥があるために、細胞内にLDLコレステロールを取り込めずに、血液中にコレステロールが増えてしまう遺伝性の脂質異常症(高脂血症)です。家族性高コレステロール血症には、片方の親から異常な遺伝子を受け継いだ場合のヘテロ型、両親から受け継いだ場合のホモ型があります。
家族性高コレステロール血症の人の総コレステロール値は、ヘテロ型で約250~500mg/dL、ホモ型で約500~1000gm/dLです。ヘテロ型はおよそ500人に1人の割合で発症します。ホモ型は100万人に1人と稀で、幼少期よりの皮膚黄色腫が特徴的です。ヘテロ型では60歳ぐらいまでに、ホモ型ではその殆どが若いころから、動脈硬化が原因で発症する病気が見られます。ホモ型はヘテロ型よりも重症で、5歳~30歳までに冠動脈硬化症(狭心症や心筋梗塞)を起こすことも多いようです。

家族性高コレステロール血症の人には、痩せている人が多いです。痩せているように見えても内臓脂肪型肥満のこともも珍しくありません。家族性高コレステロール血症のように遺伝性素因の影響が大きい病型ほど若年から発症します。一方で、家族性III型高脂血症や家族性複合型高脂血症のように、生活習慣などの環境因子の影響が大きい病型では成年以降に発症すると考えられています。

家族の中に脂質異常症(高脂血症)の人がいるなら、子供であっても遺伝性の高脂血症を疑って早く検査を受けさせることが大切です。出来るだけ早期に発見して積極的な治療をしてLDLコレステロールを下げる必要があります。

※家族性高コレステロール血症(FH):Familial Hypercholesterolemia

※黄色腫とは、アキレス腱が太く厚くなったり、瞼(まぶた)、指・ひじ・ひざの関節、手のひら、などにコレステロールの固まりができるものです。鼻に近いところの瞼(まぶた)に発生する眼瞼黄色腫がよく見られる黄色腫です。

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